鏧子の音色

マッチング意図

医師の稲葉俊郎は西洋医学だけではなく、東洋の伝統医療についても研究している。医療の世界の二項対立や領域間を超えて、身体の全体性を見つめ、心体一体のエコロジカルな存在として人間を捉える。その眼差しは社会の在りようにも向けられる。社会全体のバランスを整えるには芸術の力が必要であると考え、文化芸術分野でも積極的に活動している。今回は鏧子の音色が人々の心へどのように影響するのかについてリサーチし、人生を豊かにするための装置として位置づけられないかとの実験をシマタニ昇龍工房とのコラボレーションによって行なう。鏧子は、音が命である。シマタニ昇龍工房の作り出す鏧子は、一子相伝で受け継がれてきた音色である。四代 昇龍となる島谷好徳は自身の耳を頼りに鏧子を製作しているが、その音色を伝える活動にも熱心である。

稲葉俊郎

医師、医学博士。1979年熊本県生まれ、長野県在住。東京大学医学部付属病院循環器内科助教(2014-2020年)を経て、軽井沢病院 副院長・総合診療科医長、信州大学社会基盤研究所特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、東北芸術工科大学客員教授を兼任。山形ビエンナーレ2020芸術監督。
単著『いのちを呼びさますもの』(2017年)、『いのちは のちの いのちへ』(2020年)(アノニマ・スタジオ)など。

 

https://www.toshiroinaba.com/

稲葉俊郎著
『いのちは のちの いのちへ—新しい医療のかたち—』
(アノニマ・スタジオ、2020年)

有限会社シマタニ昇龍工房

永平寺の鏧子と
シマタニ昇龍工房 四代 昇龍

1909年富山県高岡市にて創業。鏧子製造。一子相伝により仏教伝来の伝統技法を今に伝えている。鏧子は永平寺、總持寺、總持寺祖院、南禅寺等全国の寺院で愛用されている。
四代 昇龍 島谷好徳はパリ、ロンドン、北京、香港等の世界各地で鏧子の音色を広める活動をしている。また、[syouryu]ブランドを立ち上げ、鏧子作りの鍛金技術を生かした、ライフスタイルアイテム「すずがみ」等を製作している。

 

http://www.syouryu.co.jp

シマタニ昇龍工房《鏧子》
Courtesy of the artist