欠片が濾過する光の境界
マッチング意図
オリジナルの図案によるファブリックをつくることから皆川明が始めたminä perhonenは、素材の開発からデザイン、販売までと一貫した取り組みによってこれまでにはない新たなブランド像を築いてきた。いまではファッションからインテリア、食器など生活をとりまくアイテムを手がけ、皆川の一貫した世界観をつくりあげている。今回は高いクオリティーと美意識のガラス製品を制作する工芸作家のピーター・アイビーと一緒に仕事をする。アイビーは、深みのある生活空間をつくる手仕事や暮らしの延長に現れる文化に関心を寄せ、日々の生活で得た気づきを自宅兼工房の改修の取り組みなどに反映させる。二人のクリエイターが対話を重ねてテーマを決め、ガラスとファブリックに共通する透光性を起点としたアプローチをしていく。
皆川明
1967年東京都生まれ、同地在住。デザイナー。手描きの図案によるオリジナルファブリックでのものづくりを基軸とするブランドminä perhonenの創設者、デザイナー。個人として、新聞などへの挿画や、海外のテキスタイルブランドやテーブルウェアブランドへのデザイン提供、宿のディレクションも手がける。展覧会に、「ミナ ペルホネン / 皆川明 つづく」(東京都現代美術館、兵庫県立美術館)がある。
皆川明 《tambourine》 2000
チュールのテキスタイル 刺繍
Photo: Onuma Shoji Courtesy of minä perhonen
ピーター・アイビー
1969年米国テキサス州オースティン生まれ、富山県在住。自らの名を冠したガラス器ブランドの創設者であり、アーティスト兼職人、クリエイティブ・ディレクターでもある。Rhode Island School of Designにて美術学士号を取得。母校やMassachusetts College of Artなど複数の教育機関で教員を務め、次世代の知識継承にも注力してきた。フォルムとシンプルさを重視したミニマリスト的なアプローチはガラス工芸の新潮流として国内外で広く評価を得ている。2002年来日。2007年より富山県の農村部に古民家を改装した工房を構え、制作している。
Schale
Courtesy of the artist