紙服

マッチング意図

「一冊の本を売る書店」としてそのユニークな立ち位置で話題となっている森岡書店の店主・森岡督行は、対象が持つ世界観を読み解き、細部に宿るこだわりを大切にし、今日の文化に新たな解釈を加える。近年は工芸の手仕事にも関心を寄せており、工芸の展覧会を企画するなど活動領域を広げている。今回は森岡のディレクションによる紙の服を長田製紙所とのコラボレーションで製作する。長田製紙所は大判の手漉きの越前和紙工房で襖に使う大紙や壁紙などを製造する。その傍ら、アートの制作など実験的な活動も多く行ってきた。照明や小物づくりを通じて和紙素材である楮、三椏、雁皮、麻の加工や着色など、独自技術の蓄積がある。

森岡督行

1974年山形県生まれ、東京都在住。「一冊の本を売る書店」がテーマの森岡書店代表。「雑貨展」「Khadi インドの明日をつむぐ」(21_21 DESIGN SIGHT)、「そばにいる工芸」(資生堂ギャラリー)など展覧会企画にも協力。京都・和久傳のゲストハウス「川」や、「エルメスの手しごと」展のカフェライブラリーの選書を担当。文筆家として新潮社『工芸青花』や資生堂『花椿』のウェブサイトで連載中。著書に『荒野の古本屋』(小学館文庫)、『ライオンごうのたび』(あかね書房)など。

森岡書店

株式会社長田製紙所

1909年創業の手漉き和紙工場。和紙の素材である楮・三椏・雁皮・麻それぞれの特徴を生かした紙づくりをしている。先々代が確立した手漉き模様「飛龍」の技法を受け継ぐ。襖紙や壁紙、和紙小物、ランプシェードなど、暮らしの中の和紙を製作。和紙素材を用いたアートワークの制作も行う。時代とともに変化する和紙の可能性を追求し、越前和紙が持つ文化と技術の魅力を伝える活動も積極的に行っている。

 

https://osada-washi.jp

長田製紙所