組紐ギターストラップ

マッチング意図

クリエイティブ・ディレクターである箭内道彦は、広告制作の仕事以外にも、フリーペーパー『風とロック』の発行人、編集長やコミュニティFM「渋谷のラジオ」の名誉局長、ロックバンド「猪苗代湖ズ」のギタリストなどを務め、物事の魅力をさまざまな活動を通じて伝えてきた。そういった活動の総体を広い意味での「広告」と捉え、社会に働きかけてきた。今回は箭内の体の一部ともいえるギターを飾るストラップを伝統技法である組紐の技法によって制作する。製作するのは組紐作家の東節子で、金沢を拠点に「東節子きもの・くみひも学院」の運営をしながら作家として創作活動をながく続けてきた。組紐は着物の帯締や文箱を結ぶために用いられる古くから伝わる技術である。反復作業でつくられる美しさは、制作で重ねた時間の反映である。

箭内道彦

箭内道彦

1964年福島県生まれ。東京都在住。クリエイティブディレクター。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、博報堂を経て、風とロックを設立。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」、リクルート「ゼクシィ」等、数々の話題の広告キャンペーンを長く手掛ける。福島県クリエイティブディレクター、東京藝術大学美術学部デザイン科教授。2011年NHK紅白歌合戦出場のロックバンド猪苗代湖ズのギタリストでもある。

 

https://www.yanaimichihiko.jp

タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」石川さゆり
アートディレクション:箭内道彦

東節子

1944年石川県生まれ、同地在住。組紐作家。工房を金沢市の自然に囲まれた静かな場所に構え、日々の制作に励みつつ、教室で普及活動を行っている。1988年以降皇族方の漆塗短冊箱の紐を制作。1993年東大寺南大門金剛力士像解体修理復元の際、阿形像体内経納漆箱の紐制作。2019年第53回日本伝統工芸染織展 山陽新聞社賞受賞。

東節子 作品
組紐|片唐組
Photo:Saito Masahiro