灯を持ち運ぶ箱

マッチング意図

鬼木孝一郎は主に空間デザインを得意とする建築家・デザイナーである。クライアントの想いやストーリーを読み解き、ミニマルにデザインされた透明感のある空間が高く評価されている。今回は持ち運びができる照明器具を鬼木がデザインし、金工作家の竹俣勇壱が製作する。竹俣勇壱は自らの仕事を「手工業」と呼ぶ。機械と手仕事の長所を取り合わせた仕事を行い、カトラリーや食器、ジュエリーの製作をする。一方、茶箱のあつらえや生活空間のアイテムを手がけるなど、提案型のものづくりを行ってきた。両者ともにスタイルと美意識を持つ者同士のコラボレーションである。

鬼木孝一郎

1977年東京都生まれ。少年時代を英国で過ごし、早稲田大学にて建築を学んだ後、組織設計事務所の日建設計に勤務。その後、nendo入社。10年間に渡り国内外の空間デザインを手がける。2015年鬼木デザインスタジオ(ODS)設立。建築、インテリア、展示会の空間デザインを中心に、多方面で活動。一級建築士。International Design Awards 2019 金賞、Sky Design Awards 2020 金賞、日本空間デザイン賞2020 銅賞等、受賞歴多数。 2019年に銀座のギャラリー、THE GINZA SPACEにて個展「CORD/CODE」を開催。

 

https://oniki-design-studio.com

鬼木孝一郎 《CORD/CODE》 2019
インスタレーション
Photo: Ota Takumi
Courtesy of Oniki Design Studio

竹俣勇壱

1975年石川県金沢市生まれ。同地在住。1995年より彫金を学び始め2002年独立。2004年「KiKU」、2010年「sayuu」オープン。
オーダージュエリー、生活道具、茶道具を制作。機能や技法にとらわれず意匠的な美しさを追求し、古色仕上げ、精密な鏡面仕上げなど様々な加工を使い分ける。2014年クールジャパン、トライアル事業でアラン・デュカスが主宰する「ジュール・ヴェルヌ」でコース料理のカトラリーに選定。2017年奥能登国際芸術祭 KINOURA MEETING 「海上のさいはて茶室」に参加。2019年G20配偶者プログラム昼食会のカトラリーに選定。

 

https://www.kiku-sayuu.com

プレート
Photo: Shimoka Yasuhiro