ストリートスタイルと漆
マッチング意図
シトウレイは、ファッションのストリートスタイルを撮り続けているフォトジャーナリストであり、モードの発信者である。自分の思いや主張をのせるために着たい服を着たいように着る人々をストリートで発見し、撮影して、SNSを通じて発信する。現代ファッションの生き生きとした姿を肌感覚で伝える。今回はシトウが調達したアンティーク絵皿に漆作家の高橋悠眞が漆を施す。高橋は変塗技法を得意とする。漆の塗膜としての特性を活かして、スケートボードや椅子、ライターに漆塗りをするなど、漆素材に対する独自のアプローチと色彩感覚で制作する。
シトウレイ
日本を代表するストリートスタイルフォトグラファー/ジャーナリスト。早稲田大学卒業。石川県加賀市生まれ。東京都在住。被写体の魅力を写真と言葉で紡ぐスタイルのファンは国内外に多数。毎シーズン、世界各国のコレクション取材を行い、類稀なセンスで見極められた写真とコメントを発信中。
ストリートスタイルの随一の目利きであり、「東京スタイル」の案内人。その経験を元にTVやラジオ、ファッションセミナー、執筆、講演等、活動は多岐に渡る。2020年10月『Style on the Street: From Tokyo and Beyond』をアメリカRizzoli社から世界同時出版。
シトウレイ
『Style on the Street: From Tokyo and Beyond』
(Rizzoli、2020年)
高橋悠眞
1988年東京都生まれ。石川県金沢市在住。メインとなる変塗(かわりぬり)技法の歴史は江戸時代に始まり、武士たちが自分の刀の鞘に施すことで階級などを表した技法。また漆といえば黒と朱のイメージであるが、明治以降に開発が進められた色漆を多彩に取り入れている。自身と自然(漆)の「折り合い」もしくは「堺」をテーマに、漆を塗り重ねることで現れる漆特有の現象や、自然風景などを表現している。また器は経年変化によって使い手が完成させる仕掛けを意識して制作している。
高橋悠眞
《URUSHI FREAKS》 2015
スケートボードに漆|変塗り
Courtesy of the artist