使いやすく美しいすき焼き鍋
マッチング意図
中田英寿はサッカー選手を引退後、日本全国のものづくりや食の産地に足を運び、携わる人々の仕事にふれてきた。そこで出会った日本文化を発信する活動を精力的に行っている。今回は、金工作家の坂井直樹ととともに、中田のディレクションによる、使いやすく美しいすき焼き鍋をつくり出す。坂井直樹は鉄を用いてやかんなどの日用品からオブジェまで制作する金工作家である。使う場面や人の振る舞いを意識してつくられる作品は、理にかなった造形で置かれた空間を引き立たせる。中田とはすでに一緒に仕事をした経験があり、今回再挑戦で新たなアイテムを制作する。
中田英寿
1977年生まれ、東京都在住。サッカー元日本代表、FIFAワールドカップ 3大会連続出場、2006年ドイツ大会後引退。日本文化を知るために、全国47都道府県をめぐる旅を7年半掛けて実施し、2015年Japan Craft Sake Companyを設立。その後、日本の伝統工芸や日本酒に関する事業を展開。また、立教大学経営学部客員教授や、国立工芸館名誉館長に就任し幅広く活動している。
中臣一、森田恭通、中田英寿
《Infinite Shadow》2013
真竹|二重櫛目編、やたら編、すかし網代編、染色、拭き漆仕上げ
H240×W164×D164 cm
青木信明蔵
Photo: Nishibe Yusuke
Courtesy: Japan Craft Sake Company
坂井直樹
1973年群馬県生まれ。石川県在住。現在山形県で教鞭をとる傍ら、金沢市を制作の拠点としている。2003年東京藝術大学大学院博士後期課程鍛金研究室修了、博士学位取得。2013年から2018年金沢卯辰山工芸工房専門員。2019年より東北芸術工科大学美術科工芸コース准教授。受賞歴に2013年世界工芸コンペティション準大賞、2016年テーブルウェア大賞、大賞・経済産業大臣賞、2017年日本伝統工芸金工展 朝日新聞社賞、2018年ドイツ ベルリン・フンボルトフォーラム茶室デザインコンペ最優秀賞など。
坂井直樹
《湯のこもるカタチ》 2021
鉄、漆|鍛金 H25×W17×D16 cm
Courtesy of the artist