特別展Ⅰ

展覧会のみどころ

1 ⼯芸、現代アート、アールブリュットの世界で活躍する若⼿から実⼒派までの多様な20名のアーティストが参加

2 ⽂化財空間に呼応した⼯芸の概念を超えるスケールの⼤きな展⽰

3 技術⼒から解き放たれた⼯芸の新たな価値評価を提⽰

ARTIST

展覧会会場

勝興寺

出展作家(五十音順)

勝興寺は、日本海の沿岸部、富山県高岡市伏木古国府に位置する浄土真宗本願寺派の寺院。約30,000㎡の広大な境内には、本堂をはじめとする、12棟の建造物が重要文化財に指定されている。「平成の大修理」として23年をかけて行われた保存修理事業が2021年に完了。本展は、大修理後初の大規模な展覧会として、大広間、式台、台所などの重要文化財の内部や、本堂をつなぐ渡り廊下及び境内の広大なエリアで展開される。

那谷寺

出展作家(五十音順)

那谷寺は、九谷焼の陶石が取れる白山の麓に位置する石川県小松市の仏教寺院。広い境内は奇岩遊仙境と称され、紅葉狩りの名所でもある。岩窟内に造られた本殿など7つの重要文化財と2箇所の名勝がある。本展は、特別拝観エリアに位置する『書院』と言われる江戸時代初期の書院建築の姿を現在に伝える貴重な建造物の中と、庭園に位置する茶室『了了庵』の中において展示が行われる。

大瀧神社・岡太神社

出展作家(五十音順)

大瀧神社・岡太神社は、深い山に囲まれた越前和紙の工房が軒を連ねる福井県越前市に位置する。全国で唯一“紙の神様”を祀る神社であり、山の頂にある上宮(奥の院)とそのふもとに建つ下宮からなっている。下宮は唐破風と千鳥破風のそれぞれの屋根が連続する神社本殿としては最も複雑な屋根形態を持つ建物であるとされる。本展は、下宮の境内、十一面観音堂及び上宮に続くエリアで展開される。

展覧会について

 特別展I「工芸的な美しさの行方 工芸、現代アート、アール・ブリュット」では、2012年に金沢21世紀美術館において開催した「工芸未来派」展で見せた現代アート化する工芸の動向をさらに発展させて、素材とその扱いにこだわった工芸、現代アート、アール・ブリュットの三者を紹介していきます。
 他カテゴリーとの接近によって更新される工芸や、素材と技法という点から眺めたときに浮かび上がる現代アートやアール・ブリュット作品を、対立軸としてではなく、価値や方法を共有するものとして扱い、そして、“素材と技法の関係”を「うまい」「下手」という価値観を越えた物と人とが織り成す創造的な行為として捉え、新たな関係として三者を見ていきます。
 通常、工芸的価値のヒエラルキーでは最上位と考えられる高度な職人技術ですが、それだけを工芸の正当な価値として扱うのではなく、それと対立するような“反技術”や、子供の遊びのような “非技術”といったものを含めて、人と物の関わりがつくり出す表現の可能性として紹介していきます。またそれは、工芸に限らない、広く「つくる」という作業の再評価でもあります。
 会場となる勝興寺(富山県高岡市)、那谷寺(石川県小松市)、大瀧神社・岡太神社(福井県越前市)は、どれも文化財指定された歴史的建造物であり、その地の歴史や風土を見事に体現しています。そこに総勢20名の作家によるサイトスペシフィックな作品が展示されます。場所と作品の二者による生き生きとした空間が誕生することでしょう。


本展キュレーター:秋元雄史 東京藝術大学名誉教授、練馬区立美術館館長

関連イベント

9月9日(木)オープニングイベント&特別内覧会配信
※共通パスポート購入者限定

展覧会概要

  • キュレーター

  • 秋元雄史(東京藝術大学名誉教授、練馬区立美術館館長)

  • 会場設計

  • 周防貴之(建築家)

  • 期間

  • 9月10日(金)~10月24日(日)

  • 休場日

  • なし

  • 時間

  • 午前9時~午後4時(那谷寺は午前9時15分~)
    ※ご入場は閉館の30分前までとなります。

  • 会場

  • 勝興寺(富山県高岡市伏木古国府17番1号)
    那谷寺(石川県小松市那谷町ユ122)
    大瀧神社・岡太神社(福井県越前市大滝町13-1)

  • 入場料

  • 共通パスポート 前売り 2500円 / 当日 3000円
    勝興寺 1200円
    那谷寺 800円
    大瀧神社・岡太神社 500円